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侑李と些細なことで喧嘩して、頭を冷やそうと山ちゃんの家に来てもう5時間も経っている。
3時間くらい経ったらお菓子でも買って帰って仲直りする予定だったんだけどなあ…なんかタイミング逃しちゃったな。
「馬鹿じゃないの」
「山ちゃんって、容赦ないよね…」
「くだらないことで意地張るなよ」
「別に、意地張ってるんじゃないよ…ただ仲直りしに行くタイミングを逃しちゃっただけで」
「馬鹿じゃないの」
「また言った…」
さっきから山ちゃんはずっとこの調子だ。
いや、そりゃあ俺だってそろそろ侑李と仲直りしなきゃいけない頃だって分かってるけどさ…。
仲直りのきっかけを失っちゃったっていうかなんていうか…とにかく、今は出来ないんだ。
「ていうかさ、ちびちゃんと喧嘩する度に俺に泣きついてくるのやめてくれない?」
「なんで?」
「………(ちびちゃんが怖いからに決まってるだろ!)」
山ちゃんが何か言いたげな顔をしているけど、敢えてそれを無視して携帯を開く。
どうしよう、メールとか送って仲直りしようって言ってみるべき?
でもやっぱり、仲直りは直接がいいしなあ…。
「あーもう、しょうがないから今日は泊めてやるけど明日にはちゃんと仲直りしろよ!」
「いいの?やった、ありがと山ちゃん!」
「はあ…現金なやつ」
なんか大きな溜め息が聞こえた気がするけど、気にしない気にしない。
やっぱり山ちゃんは優しい!
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