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「同時に、正嗣が亡くなって、もう10年になるわけか…………」 「………………はい」 美姫は、きゅっ、と両手を握りしめながら頷く 「……………美姫よ」 「…………はい?」 名を呼ばれ、ゆっくり視線を大伯父様に向ける 「……………お前のせいではないよ」 「……………はい」 そう言われて、美姫は苦笑いをする 父が亡くなった時、美姫は自分の侵した過ちに気付いて、酷く取り乱した その時、美姫を何度も慰めてくれたのは、大伯父様だった 何度も何度も、背中を撫でて落ち着かせてくれたのを思い出す 「いくらお前に“力”があるからと言って、正嗣がその力に倒れたわけではないのだ たまたま偶然が重なっただけなのだから、そう抱え込むな」 大伯父様は、穏やかな声色でそう話す 「…………ありがとうございます」
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