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「一年間、絶える事無く予約のお客さまがいらっしゃいます
学校に行っていては、その皆様にご迷惑をおかけいたします
どうか、他の方にお願いしてください」
美姫は、もっともらしい答え方で、やんわりと断る
しかし、やはり大伯父様にはそんなんでかなう訳がなかった
「それならば、週に2日、こちらに戻ってくればよい
予約と言っても、日時はきちんと決められておるんじゃ
週に2日を仕事に割り当てればよい」
「しかし…………」
「美姫、」
「…………はい」
言葉を発する前に、名を呼ばれて続ける事ができなかった
「人生は永い…………
たった一度のチャンスなんだ
16歳なら16歳らしく
学校に通いなさい
そして、思い出を沢山作りなさい
仕事は、いくつになってもできる
だがな?学生時代というのは、その時だけなんだよ」
「大伯父様……………」
美姫は、目を大きく開きながら大伯父様を見つめる
そして、どうあっても自分を学校に通わせたいのだと知ると、美姫は深いため息をつきながら わかりました と告げた
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