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「大丈夫ですか?」
私は、そんな二人を見送りながら、もたれかかる生徒の前まで走る
「……………あんた、だれ?」
なんとか目を開けると、そう説いてきた
「…………誰でもございません
どこか怪我などしてますか?」
「……………ねぇ、
身体中だりぃだけだ……………」
彼は、そういうと、ゆっくり目蓋を閉じる
(やはり、糸に絡まれた身体は根を上げていたか……………)
私は、目を細めながら、内心そう呟く
普通なら見えないが、より強い念や力によって発せられた言葉は、黒い蜘蛛の糸に身を変えて、何重にもその相手に絡む
「《…………言の力よ
この者に絡み付く“糸”を切り離し給え…………》」
目蓋を閉じた彼の額に、右手の人差し指と中指をそっと近付け、小さく唱える
すると、幾重にも絡まっていた糸が、シュルリと解け始め、跡形もなく消えて行く
(あの人、かなり強力な言霊を使っていた
自分で気付けないのは、痛いわね)
完全に無くなったのを確認しながら、内心思う
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