count3

6/15
前へ
/126ページ
次へ
「失礼いたします 美姫様をお連れいたしました」 男性は、お辞儀をしながら話しかける 中には、白髪が少し混じったオールバックの、細長い眼鏡をかけた中年的男性が、大きな椅子に腰掛け書類を眺めていた 「ご苦労 入りなさい」 「はい、失礼いたします」 私は、促され、ゆっくり中に入っていく 一緒に来た男性は、そのままどこかへと行ってしまった 「よく来たね? 疲れただろう?腰掛けなさい」 書類を離すと、立ち上がって腰掛ける場所に手のひらを向ける 私は、それに従ってゆっくり腰掛けた 「何か飲み物を出そう 好みは?」 「え、と、 あの、………では緑茶を………」 急に言われて、たどたどしい言い方で応える 「緑茶か? 若い者にしては珍しい」 男性はそう言い放つと備え付けの電話でどこかへ連絡をして、注文をした
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加