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暗い暗い闇の中をさまよう…
出口なんて何処にもない。
きっとここから出る事はもうない。
そう思うと向こうから光が迫ってくる。
あの光は…
轟音とともに暴走してくるトラック。避ける間もなく私は下敷きになる…
「いや~!」
叫び声で目が覚める。
「またか…」
いつもの事なんだけどまだまだ見続けそうだ。見続けても受け入れなければならない現実。
色々悩んだけど私は今日、彼の家に行き別れを宣言する。
やっと自分に言い聞かせられたし受け入れる事が出来た。このタイミングを逃したらもう立ち直る事は出来ないと思ったから。
荷物をまとめ終わり携帯を手にした。
彼は実家にいる。熊本県に帰ってる。
「もしもし、今から熊本に行く事にします。用件はそちらでお話させて頂きます。よろしいでしょうか…ありがとうございます。では…」
私は大きなため息の後、大きく深呼吸した。
「よし!行こう…」
空港へ向かうタクシーの中で私は彼と過ごした日々を思い出していた。
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