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「そろそろ帰った方が良くない?」
時計を見ると8時を過ぎていた。
「ホントだ!…今日はありがとうございます。スゴク解りやすかったです。」
「そうかなぁ…でも嬉しいよ。ありがとう!じゃ、出ようか。」
図書館を出ると快斗は意を決して
「送るよ!家まで!」
奈美は顔を伏せて、しばらく考えてから
「じゃあ、近くまでお願いします。」
快斗は飛び上がりたい気持ちを必死に抑えた。
奈美は自分の家の方へ歩き出したので、快斗は慌てて後を追い隣に並んだ。
「あそこの図書館、9時まで開いてるからいいんだよね~。」
「よく行くんですか?」
「まぁ~ね…。気分を変えたい時なんか、よく利用するよ!意外だった?」
「…少し…。日吉さん教師の方が良くないですか?教え方上手だし…」
「ムリムリ!人前で教えるなんてムリムリ!だからバイトも裏方してるんだから。」
それを聞いて奈美は笑顔を見せた。
「俺、バイト休みの日は図書館で勉強する事にしたから奈美ちゃんも気が向いたら来てよ!」
奈美は笑顔のまま頷いた。
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