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私達は歩き出した。
彼は私の歩幅に合わせて歩いてくれている。
そんな彼の一つ一つの言葉や仕草に私は飲み込まれて行く。
彼は立ち止まり
「ここのラーメン食べてみたかったんだ!いいかな、ここで?」
「はい!」
店内に入ると意外と人が多かった。
彼はテーブル席を探したが、いっぱいだったのでカウンター席に座った。
そして私が座る椅子をさりげなく引いてくれた。
「ごめんね。カウンターになっちゃったね。お詫びに食べたら買い物なり何なり付き合うよ。」
彼は何も悪くないのに…そう思った私は
「快斗さんのせいじゃないですよ!こんなに人がいるから、きっと美味しいお店なんですよ!けど…食べたら本当に街ブラしてくれますか?」
「もちろん。せっかく会ったんだから。」
そんな会話をしてるとラーメンが出来上がった。
彼は豚骨味、私は塩味。
「九州は豚骨味。可奈ちゃん食べた事ある?」
「私、食べた事ないんです。悩んだ挙げ句…塩味や醤油味ばっかりで…」
「九州で食べれば絶対好きになると思うよ。」
そう言って彼はあっという間にたいらげた。
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