始まりの靴

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――桜見大学付属桜見高等学校 この学校、周りが桜の木に囲まれている為、春になると辺り一面が桃色に染まり、それはもう「美しい」の一言より無い程の景色な事で有名な高校である。 今は四月…。 丁度、辺りが桃色に染まっている時期だ。 そんな学校に通う、ピカピカの高校一年生…『東 誠(アズマ マコト)』と、その友人『倉橋 涼太(クラハシ リョウタ)』は、屋上で寝転がり、貴重な昼休みを過ごしていた。 「倉橋…彼女欲しい…」 いきなり、東がそんな事を言い出した。 倉橋は聞き飽きているのか「はぁ…」と溜め息をつき、とりあえず東の話を聞いてやる事にした。 「やっぱさ、女子の多くはスポーツ少年に憧れるよな?」 「……偏見じゃない…?それ」 青い空に浮かぶ雲が、右から左に流れていく…。 東の短い黒髪が、風に揺れた。 「やっぱさ、高校生なんだから、部活やってモテモテ!…っていきたいよな」 「……部活やったら女子にモテるとは限らないよ?」 時計の長針が、どんどん6に近くなる…。 昼休みも、もうすぐ終わる頃…。 「やっぱさ…「じゃあ部活やれば?」 東が話すのを、倉橋が遮った。
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