始まりの靴

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時間は1時32分…。 昼休みも終わり、東と倉橋は教室に戻っていた。 東はニコニコ、倉橋はぶっすり…。 理由は先程の出来事のせいだった。 「いやぁ…、可愛いかったねぇ~。あの娘…」 東の周りに、ピンクの花が見える…。 「てか…なに人のせいしてんだよ! クツ投げたのはお前だろ!」 倉橋の周りには、怒りの炎が見えた。 そんな倉橋の声が聞こえているのか、いないのか、東は依然としてニヤニヤしている。 「ほらほらぁ、く・ら・は・しぃ~」 東は気持ち悪い声を上げ、自分の携帯電話のアドレス帳を開いて、見せつける様に倉橋の頬に突き付けていた。 アドレス帳には、さっきの女子生徒の名前が…。 倉橋は東から携帯電話をひったくり、その名前を読み上げる。 「んんん…こ…なみ…はる?」 それを聞いた東は、「へっ!」と鼻で笑い、得意げに説明し始めた。 「これだから『ぶぁか』は困るんだよ、『ぶぁか』は!」 「お…」 倉橋の雲行きが怪しくなる…。 「これはな、『小波 春(サザナミ ハル)』て読むんだよ! ぶぁかめ!」 ボカァッ! 『ぶぁか』の連呼に、倉橋がキレた瞬間だった…。
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