始まりの靴

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「てめぇ…、チョッと可愛い娘のアド手に入れたからって、調子に乗ってんじゃねぇぞ…」 「ふっ…。 そんなにひがまずに、君も誰かにアド聞けばいいではないか。 ハッハッハ!」 倉橋は、この伸び切った東の鼻をへし折ってやろうかとも思ったが、今回の事に関しては正直羨ましい所がある。 なので、下手に出る事にしてみた。 「東様、どうやってアドを聞き出したのでごさいましょうか?」 と言われた東はいつもの顔に戻り、倉橋にアドレスを手に入れた方法を教えてやる…。 「どうやって…ってぇ…普通に『教えて?』って」 「それが出来ねぇんだよ!」 そう。 倉橋には、そんな勇気は無い。 ましてや、初対面の人にそんな事…言えるわけがなかった。 「ふっ…。 まあ、頑張りたまえ倉橋君……ん? あ!春ちゃんからメール返ってきたぁ!」 その光景を、倉橋は頬杖をつきながら東を見る。 たしかに、倉橋としては面白くないだろう。 しかし、キラキラした目をしている東を見て、「まあ、良いか」とも思っていた。 ……と、その時、東の動きが止まった。
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