622人が本棚に入れています
本棚に追加
/187ページ
お互い無言のまま歩く。
「…乗って」
「この車、チィ兄ちゃんの?」
「クスッ、そうだよ。中古だけどな」
助手席に案内され座った。
エンジンがかかり、進み始める車。
運転するチィ兄ちゃんの横顔。
ハンドルを握る右手。
そして、左手はしっかりと私の手を掴んでいた。
「違うな~。手、パァにしてくれるか?」
私は、首を傾げ手を開いた。
「これでいい?」
自然と手を重ね合わせ、指を絡ませた。
.
最初のコメントを投稿しよう!