火蓋

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中に入るといきなり扉がしまった。 しかし、砲識に動じる様子はない。 工場中央にある背の高い機材に1人の若い女が腰掛けていた。 「ちっ…。女か…殺りずらいわ。」 女は砲識の呟きに気付いたのか優しく微笑み口を開いた。 「やっと来たわね。零崎 砲識…焔煉乱舞(フロックフィール)…。」 その言葉に砲識は、きしし。と笑い。 「…ちゃうで。って言ったらどうする…?」 「その思いっきり訛った関西弁で良くそんな冗談が言えるわね?」 その女は言葉が終わるか終わらないかぐらいのところで機材から降りる。 「あちゃー。情報はしっかり行っとるんやなー。」 残念、といった様子の砲識は額に手を当てオーバーアクションをした。 「んで?あんたが巣守か?」 ふざけた雰囲気からガラッと真剣な顔付きになって女の正体を探る砲識。 「えぇ。私は巣守 庭酉(ニワトリ)よ。」 庭酉は臆することなく自らの名前を答えた。 そして相手の名前が分かった砲識はその顔に嬉さとも怒りとも取れる笑みを露わにしていた。
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