火蓋

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「きしし。テメェらのせいで傷付いた仲間の怒りをテメェ1人で受けきれると思っとんのか…?」 普段は面に出さないとても静かな怒気を隠そうともせずに砲識は一歩、庭酉に近付く。 「あら、想操術師と分かっていて、私の術もまだ分からないのに近付くの?」 庭酉は勝算がある、というような勝ち誇った笑みで挑発していた。 しかし、その笑みが逆に砲識の怒りを逆撫でする。 「テメェも…。ワイのスタイル知らんやろ…?」 「勿論、知る必要もな…」 「教えたるわ…。なぁに、一瞬分からんようになるだけやで。」 砲識の言葉が終わるか終わらないかの所でーー庭酉が吹っ飛んだ。 文字通り吹っ飛んだという表現がピッタリな勢いで後ろに飛んだのだ。 「ぐっ…。」 「一撃必殺で一撃必中、その恐ろしさたっぷり後悔しながら死んで貰おうか…?」 ガラクタの山に埋もれる庭酉にまた一歩と近付く。 「私があんたなんかに…。あんたなんかに負ける訳ないじゃないっ!!」 「ほう?この状況でまだそんな大見得切れるか。ええで?本気でやったる。」 まだ起こったことを理解していない頭をフル稼働しながら大声を張り上げる。 一定の間隔を開けて砲識は立ち止まった。
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