火蓋

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「やっと着いたー」 ホストクラブやバーの立ち並ぶ街中、その風景に全くと言っていいほど噛み合ってない服装の少女―零崎実織は叫ぶ 「こんな所来るの、あたし初めてだよ」 「それは、僕もだよ まぁ、そんなことより家賊を傷つけた借りは一刻も早く返さないとね」 少年―零崎空識は多々あるクラブの中でも、最も高そうな店のドアの前に立つ 「本当にここであってるんだよねー?」 実織も横に並び、ドアに手をかける 「なっ!?」 中に入ると、すぐさま腐臭が鼻につく 見回すと人という存在が全く消え失せていた 恐らくは、人であったであろう肉塊がホールの中央に積み上げられていた 「あぁー けっこう派手好きなんだね」 実織は何事もなかったかの様に笑う 「まぁ、派手なのは嫌いじゃないけどさ?」 「誰ですか?」
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