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「な…んだそれ…」
天識が呆然と紫雉を見る
いや、正確には見上げる
頭からは角が生え、蛇のように蠢く尻尾を持ち、20mを優に超える巨体の悪魔が、二人の前に現れた
天識はあまりの驚きに声も出ないようだが、対象的に夢識は落ち着いてる
「なあに?一人はいい反応してくれてるのに、あなたのその反応は?」
巨大な悪魔が紫雉と同じ口調で夢識に話しかける
「当たり前です。天識さんも落ち着いてください。敵が術士だということを忘れたんですか?
あれは幻。実際に巨大化してるわけではありません」
「そ、そうですよね」
震える声で喋る天識も、何とか落ち着こうと深呼吸する
「おそらくは指を鳴らすのが術の下準備なのでしょう。けど僕達は十分警戒していた。
操れたとしてもせいぜい視覚ぐらい。直接触れることはできませんよ」
夢識は巨大な悪魔を見ても全く怯まない
悪魔の赤黒い眼が夢識を見る
「じゃあ、試してみる?」
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