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「う、おおお!!!」
アクション映画のように迫ってくる巨大なコース
それを横っ跳びに移動することでなんとか二人はよけた
激しい音をたててコースが壁に当たり、砂埃が巻き上がる
「くそ、何なんだこれは?」
夢識が思考を巡らせ紫雉の対策を考える
だが砂煙の中いつ敵からの攻撃がくるのかわからないこの状況では、考えをまとめるほど集中できない
そんな夢識の服が引っ張られる
「あ、天識さん」
「夢識君、君に質問があります?」
砂煙が立ち込めるので表情はうかがえないが、声から真剣さが伝わってくる
「時間があれば、敵の術の正体を見破ることができますね?」
「え?」
いきなりの質問に思わず問い返す
「なぜ幻のはずの紫雉が攻撃できるのか、これが解決できなくては僕達に勝機はありません。
残念ですが僕に敵の術を見破ることはできません。夢識君、君ならできますね?」
天識は戦闘向きの零崎であり、夢識は非戦闘向きの零崎だ
夢識の本領は騙し合い化かし合いでこそ発揮される
「…」
だがもし夢識が紫雉の術を看破できなかった場合、殺人鬼二人に勝てる可能性は無くなる
それは死を意味していた
相当な重圧が夢識に降りかかる
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