悪夢

10/32
前へ
/347ページ
次へ
夢識は天識の後ろ側、ジェットコースターのレーンと地面の隙間で影になっている所に隠れていた 目の前で天識が紫雉に闘いを挑んでいる 時間を稼ぐための策だということはわかる だから夢識は天識の与えてくれる時間を一秒たりとも無駄にすることはできない まず夢識が考えなくてはいけないのが、紫雉の術についてだ 何故巨大化した紫雉の攻撃が物理的影響を与えるのか? 紫雉はああ言っているが、巨大化できる人間なんているわけがない なら答えは1つ 「この世界自体が、術」 巨大化した紫雉も、破壊されたアトラクションも、今ここにいる自分自身すら偽り そう考えれば全ての事に説明がつく だがそれが正解だとしたら、1つ不可解な点がある 一体なぜ、自分たちは術にかかったのか? 夢識はランドセルランドに来てから一瞬も油断はしてない にもかかわらず、五感全てを支配されるような術にかけられてしまった
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加