接触

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駅のロータリーのベンチに二人の青年が座っていた。 一人はジーンズにシャツと黒いカーディガン。 そして眼鏡の奥からは紅い瞳が覗いていた。 二人目は正装の上にコートを着ており、柔らかな笑みを浮かべている。 コートの青年が隣の青年に話しかけた。 「遅いですね、皆さん」 眼鏡の青年は荷物のトランクを倒れないように支えながら答える。 「そうですね、肝心の二人も来ていませんし」 「確かに……今日はあの二人の持ち物を作ってもらう予定でしたね」 「ええ、ついでに僕のやつも砲兄さんに点検してもらおうと」 「フフッ……理由はそんなのじゃないでしょう。苦識(クルシキ)君?」 「バレました?夢識(ユメシキ)君」 「君のことです。あの二人に会いたいのでしょう。君曰く『形成』をする為に?」 言葉は返さず、笑みを浮かべる苦識。 夢識は続ける。 「噂をすればなんとやら。来たようですね」
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