序章

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ようやく顔を上げて控室とやらを見渡す。 「警察の超エリートキャリアだけあって、大層派手なホテルを選んだな… 見栄張ってさ…」 皮肉も込めて俺は独り愚痴た。 すると、さっき兄貴が出て行ったはずのドアの隙間から、クスッと笑い声が聞こえてきた。 ハッとして睨みつけるようにドアを見る。 ドアが音も立てず開き… 純白のドレスを着た… 今日この日から義理の姉となるあの人が俺を見て微笑んでいた。 「どう?できのいいお兄さんの結婚式に参列する気分は…」 俺は咄嗟に視線を逸らした。 何で来るんだ! 見せつけたいのかよ… 心の中でだけど、彼女を罵倒する。 視線は逸らせたままだ。
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