序章

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そんな俺の唯一自慢できるものは、絵を描く事。 親父にも継母にも、もちろん兄貴にも、俺の絵を見せた事はない。 多分、俺が絵を描く事すら知らないだろう。 親父に見せてもどうせ… 「馬鹿かお前は!そんなくだらん事ばかりに興味を持ちやがって!」 継母に見せてもどうせ… 「バカじゃないの…」 兄貴に至っては、きっと鼻で笑って見向きもしないだろう。 だから、俺は自分自身を家族にはさらけ出さない。 家族だけじゃない。 人に自分をさらけ出せない人間になっていたんだ。
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