序章

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俺は女に声を掛けられると、そそくさと道具を片付け、女の後についていく。 行き着く先はいつも小汚い焼肉屋で、たらふく肉を食べさせてもらい、その店の2階でセックスをする。 焼肉屋の店主は何も言わない。 女とどういう関係なのかも知らない。 興味がなかった。 俺の興味は、ただ飯を食わせてくれる女の痩せた身体を貪るだけ… それだけの関係だった。 それが数回あってから、女は姿を見せなくなった。 俺は旨い焼肉が食えなくなった事が、残念で仕方なかった。 ついでに性の処理もできなくなったから、悶々としていた。 ただそれだけ。 女に逢いたいとか… そんなんじゃなかった。
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