自分第一

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朝、 社宅の横に咲く大きな桜の木の下で一緒に学校へ行く約束をしているが杏花は約束の時間には絶対に来ないので私は彼女の家まで迎えに行く これは日課だ 階段を上り家の前まで来ると騒がしい声がする 喧嘩の声 インターホンを押してもしばらく誰も出てこない。 ちょっとしてから太い感じの杏花のお母さんがドアから顔を出し 「ごめんね、ちよっとあがって待っててもらえる?」 っと言うと私を玄関まで促し座らせ前もってきってあった感じの少し黄色くなったうさぎ切りのりんごを持ってきてくれる 「杏花、なつみちゃん迎えに来たわよ!早くしなさい!」 と大声を出しながら杏花のお母さんは奥に消えていく 私は黙ってただ泣き叫ぶ杏花の声と彼女を叱る彼女の姉と母の怒声を聞きながらりんごをかじる ドライバーやらフォークやら色々飛んで来るがいつものこと ベランダで 「私は虐待を受けています!!」と杏花が叫ぶのも割りとよくあること 朝弱い私はそんな朝から喧嘩する彼女を少しすごいと思う裏腹に何を朝っぱらからそんなに争うのかが理解できなかった
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