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「彼女っすよね、絶対」
「……だからなぁ、芽衣。俺なんかに彼女が出来ると思うかよ?」
「思わないっす」
「……ぐ、即答……!! だ、だが、そんならもう居ないって事でよくね?」
「よくないっす」
「何でだよ! 今おめーも居ない方向で考えてたろ! そんで良いだろが!」
「よくないっす」
――――ある日曜日の事。
俺と芽衣以外の家族は皆外出中だ。
そして……まるでこの機会を待っていたかのように――、
リビングで鉢合わせになった瞬間、妹の尋問は始まったのだ。
面倒な話だ。ゆっくり茶も飲めやしねぇ。
そもそも俺の日曜日は、部屋に引きこもって溜まったアニメ観たりえrgしたりするスーパー☆キモヲタ☆Dayなんだぜ?
そんな俺が茶を飲む為だけに部屋を出てリビングに入り、冷蔵庫からペットボトルの麦茶を出した辺りで、芽衣は登場したのだ。
……まるで俺が部屋から出てくるのを待ってたみたいな話だろ?
滅多に部屋から出ない俺の、まさに一瞬のスキを突かれたっつーわけだ。
コップに注いだ麦茶を一口も飲むことが出来ないまま、俺と芽衣の睨み合いが続く。
そもそも、何で俺がコイツから尋問されなきゃなんねーの?
何回でも言うが、もし俺に彼女が居たとしてよ、それは妹に関係ねぇだろ?
ぜってーあり得ない事だけどよ。
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