プロローグ『リア充爆発しろ!』

12/14
前へ
/335ページ
次へ
 リア子はリア子で、本気で状況を飲み込めてない感じの表情だ。  だが、騙されんぞ。今は冷静を装って、彼氏の元に帰った瞬間俺の事を嘲りやがるに決まっている。 「よ、よく……意味が分からない……。私、貴方に何か悪いことを…………?」  白を切りとおそうったってそうはいかない。  こ、今度こそ本気で、こいつを追い返す。 「と、とにかく今日は……!! じ、時間も遅いですし……? 早く帰った方が……い、いいんじゃないっすかね? うん」  じゃっかんいい人っぽくなったじゃねぇかアホ!!  何故鬼になれんのだ!! 鶏にはなれて、何故鬼になれん!! 「あ、…………うん。だけど――」 「だけど――」何だよ! そこまで俺の事バカにしたい!?  リア充って何なの? 悪魔なの? 彼氏居るからって偉いのかよ!  くっそ……も、もう、奥の手だ!! 絶対に使いたくなかったが仕方ない……!  非リア流三大奥義(三つもねーけど)の内の一つを発動するときがきてしまったようだな! 「逃げる!!」 「えっ――」  リア子が何か言い出す前に、俺は全速力で逃げ出した。  敵に背を向け、俺は走った。  俺の背に一切の逃げ傷なし!!  まぁプライドはとっくの昔に傷だらけなんですけどねー。 「ちょ、待っ……」  聞いたか!! リア娘の野郎ついに本性を現したぞ。  逃げ出した俺に、「ちょwwwwwwおまwwwww」だそうだ!! 笑わば笑え!  
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4090人が本棚に入れています
本棚に追加