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「おう、家に帰ってからバイトに向かうつもりだったんだが、リア子の野郎しばらく家の前ウロウロしてやがってな……」
「なにそれこわい」
稜が呟く。
「仕方ないから……バイトは休んだ」
「うん、それが懸命だよ」
「リア充に見つかったが最後、何されるか分かったもんじゃネェからな」
栄太と稜も同調してくれる。おぉう、心の友よ。
「とにかく今後、俺達はより一層警戒する必要がある。俺達が非リアでキモヲタだって事は既にクラス中が知っている事だからな」
そう、俺達は非リアにとどまらない。
キモヲタでもあるのだ。これ自分で言うのってどうなんだろうな。
バイト代の9割はライトノベルやらフィギュアやら、そういう類のグッズに飛んでいくのである。
ちなみに、えrgだってするぜ。
そう、今日だってこれから本屋に行って雷撃文庫の最新刊を全て買わねばならないんだ。
二次元になら、彼女はいくらでもいるんだけどな。
毎日俺の方に微笑みかけてくれる、天使ちゃんのような存在。
うん、俺の彼女はやっぱ、二次元に居ればそれでいいかもしれない。
三次元の女なんて……! 三次元の女なんて……!
「とりあえずそろそろ下校時刻だし、早く本屋行こうよ。『あめふり!』の最新刊が読みたいしさ!」
栄太が鞄を持って立ち上がる。
こういう時の栄太は、妙に積極的だ。
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