第1話『あ、あのさ……わ、私とさ――』

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 なにこれ!?  キャッ……憧れのあの娘とまさかの再開!!  これって偶然!? それとも運命――?  ――てアホかァ!  全然そんな少女マンガ的展開じゃないぞ!  むしろブチ殺すべき宿敵と出会ってしまった勇者的な感じ!?  つか何でいんの? 何で『あめふり!』7巻持ってんの!?  何より――何で俺の名前知ってんの!? 「さ、咲……! まさかこの女が……!!」  稜には分かったらしい。 「……あぁ。リア子だ」 「リア……子……?」  俺の言葉にリア子は首を傾げるも、栄太と稜はギョッとした。 「噂に聞くリア子……! た、確かにリア充臭がプンプンしやがるぜ」 「か、可愛い……」  傍から見ればおかし過ぎる、俺達三人とリア子の睨み合い。 「りあことかりあじゅうとか……訳が解らない……。でもどうやら……私の……事?」 「すっとぼけてんじゃねぇ! 他に誰が居る!」  稜が挑発的に言う。リア子は驚いたような表情。  俺は栄太と稜にのみ聞こえるような声で言う。 「(気をつけろ。アイツはただ知らないフリをしてるだけだ……。内心では俺達非リア充を馬鹿にしたくて仕方ないのさ)」 「(可愛い顔の裏には悪魔の顔がある……ってか)」 「(性格はサイアクって事だね)」  俺達三人が目つきを鋭くしてリア子を睨むと、彼女は脅えた様子で一歩後ずさった。
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