第1話『あ、あのさ……わ、私とさ――』

9/31
前へ
/335ページ
次へ
 本屋を出た俺は、まだ泣き止む事が出来なかった。  もう俺なんかよぉ……死ねばいいのに……。  俺の手には、袋が二つ。土まみれになったのと、まっサラの。  2冊の『あめふり!』を手に、俺は沈みゆく夕陽を静かに眺めた。 「安心しろ。お前は何も……悪くねぇ……。愛芽たんだってきっと――分かってくれるさ」 「咲の涙が嘘じゃないことは、誰が見たってわかるよ」 「おまえらっ……!」  俺は稜と栄太と熱い抱擁を交わす。おいおい泣きながら。  周囲の見る目なんか知るか! 俺は、非リア充で良かった……!  こんな最高の仲間と、知り合えたんだからな……。  ―Fin―  ――いや終わらねーよ!? まだ23ページだろ! 薄っぺらすぎるだろ!  ……何? 内容も薄っぺらい、だと!?  ……! …………!!(←言い返せない)  と、とにかくだ! 話にはまだ続きがある! 黙って聞け!  俺は栄太、稜と別れて家へと帰る道の途中で、「さぁて、この落し前をどうつけてもらおうか」と考えていた。  誰にかって? リア子に決まってるだろうが!  あんにゃろぅの為に、俺の愛芽たんが泥まみれプレイを被る事になっただろうが!  どんな趣味だよ!(バンバン
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4090人が本棚に入れています
本棚に追加