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ふぅ。
俺はため息を一つついて階段をのぼる。
ちなみに芽衣は俺の2つ年下の妹である。2階にあるのは妹と、現在大学1回生である姉の部屋。
姉には彼氏が居て、時々家に連れて来やがるんだが……部屋が隣だから、二人で何してんのか、ほっとんど聞こえんのよ。
分かるか! この苦痛が!
いい声で鳴いてやがんだよ俺の姉ちゃんが!
彼氏ぶっ殺してぇんだよ! ていうかいっそ混ぜろ!(←ぇ
くそ、リア充の話なんかしたところで、苦痛にしかならんな……!
やめだやめだ! とりあえず今は、買ってきた『あめふり!』を読むぜ!
階段を上りきり、自分の部屋のドアをあける……と。
俺の部屋の真正面にある妹の部屋から、やけにめかし込んだ芽衣が姿を現した。
で、出掛けんの? こんな時間から。何処に? 誰と?
俺は妙に気になって、妹に声をかける。
「どっか……行くのか?」
妹は階段を下りようとした足を止め、ちらとこちらを振り返る。
「……何処でもいいっしょ? 咲には関係ないし」
「関係なくないだろ。もうこんな時間だし……気になるだろーが」
俺がさらに食いつくと、芽衣はこちらを振り返って無表情のままに一言。
「……デート」
「ハァアアアアアアアアアィッッ!?」
俺が渾身のリアクションをかましているのを尻目に、芽衣は階段を下りていく。
「ま、待て芽衣! お、俺は兄として、そんな不純な異性交遊を許すわけには……ァアッ!?」
慌てて追い掛けようとして、俺は階段で足を滑らせ、
「ァヴァヴァババダバビャギャギャギュ仝〆ゞ〒◆√ヶオ㍗ルァ!!!??」
そのまま一番下まで転げ落ちた。
い、痛い……色んな意味で……!
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