第1話『あ、あのさ……わ、私とさ――』

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「非リア充で一人っ子であるオレから言やぁよ、妹がいるってのはすげぇ羨ましいんだけどなぁ!?」  稜が机をバンバン叩きながら言う。  すると栄太も身を乗り出し、 「そ、そうだよ! 僕にもお兄ちゃんしか居ないから、羨ましい限りだよ!」  そんな風に言いはじめる。  ……俺の現状を見て、一体どの口が言うんだよ。 「どうせお前、妹が居ない時に部屋に忍び込んで、下着とかクンカクンカしてんだろうが!」 「しねぇよ!? そこまで堕ちてねぇよ!」  俺には2次元だってあるんだよ! 「妹のベッドに潜り込む事だって出来るじゃないか! 『雷怖いから一緒に寝て……? お兄ちゃん』的な展開も絶対あるでしょ!」 「そんな事したらガチ通報されるし、そもそも妹そんなキャラじゃねぇし! 妹がそんなキャラだったらさすがに欲情してるかもしれんが!」  キャラさえ良ければ彼女にしたいぐらいの顔ではあるからな、妹は。 「あーもう、ホント羨ましいわ。オレだったら絶対するわ。クンカクンカ」 「僕は夜な夜なベッドに忍び込むよ」  変態ドモめ……。栄太も実は結構変態なのである。  けど、妹にそういう感情はやっぱ抱かないわなぁ……。  仮に言い寄られたらぶっちゃけわからんが(←)、そうでもない限り、やっぱ兄貴として、の感情しかねぇっすね。  ……いや待て、しかし……彼氏が出来たってのが気に喰わんのはどう説明すんのよ。
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