第1話『あ、あのさ……わ、私とさ――』

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 やっぱ……俺って妹の事が――??  いや……絶対ねぇけど、もしそうなんだとしても。 「妹なら昨日、デート行ってたよ。相手が誰か知らんけどさ」 「ハァア!? 何、お前の妹リア充なのかよ……」  稜が心底ショックそうに言う。俺も正直、衝撃的だったわ。  妹に彼氏が出来た時って、兄貴なら何らか思うものはあるんじゃないか?  まぁ少なくとも俺はそうだったわ。非リア充だからな。  妹に彼氏が出来たってだけでも気に食わんのは、やっぱ妹が俺と一番親しい異性だからかな。  それは姉ちゃんや母さんだってそうなんだけど……。  俺、ロリコンなのか? 「何だよー……せっかくお前の妹彼女にしたいなーと思ってたのに」 「仮に妹に彼氏が居なくても、お前みたいな変態にゃ指一本触れさせねーよ」 「何だよー! 同じ非リア充仲間だろー?」 「それとこれとは話が違うんだよ!!」  これ、兄として正しい判断だよな!?  いやもちろん、だからって俺が狙ってるって訳ではないんだぞ!?  そこは信じてくれ、一応。  ●  稜と栄太と別れ、俺は一人携帯を弄りながら帰途についていた。  こうして一人――静かに帰るってのも……たまにはいいモンだぜ?  何かこう……大人な気分になれるからな。  まぁたまにも何も、毎日一人だけどな……。さすが非リア充、一人がよく似合う。 「あの、咲君」  ……オイオイ、誰だよ大人テイストな俺に声をかけてきちゃう素っ頓狂―― 「――ハァアアアアリア子オオオォォオオオオオオォォォ!?」  振り返ると、そこに居たのはまたしても! あぁまたしてもリア子でした!  
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