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その切腹しそうな男の人は、なかなか顔が整っていて体がでかく全身筋肉でできていると言ってもおかしくないくらいムキムキの人でした。
私がそれを止めに入ろうとした時、ザシュッという音がして辺り一面が一瞬にして血塗れになりました。
「ちょ、お前本当にやっちまうんか!!」
「だ、大丈夫か!?」
「誰か!!誰か助けてくれ!!」
面白そうにしていた周りの男の人達が急に慌てふためきはじめました。
私はどうしていいかわからず、切腹をした男の人の傍に駆け寄りました。
「大丈夫ですか!!」
「ん…だい、じょうぶ」
男の人はすごく苦しそうに笑いました。
余計心配になった私はそれはもう顔が青ざめていたでしょうね。
私がどうしようもなく男の人の短く束ねられた綺麗な髪を見ていると、ごっついオッサン達がやってきて男の人を囲みました。
そのオッサン達は5、6人で男の人を軽々持ち上げ、担いでゆっくり走りだしました。
なぜか私は気がきではなく付いていったのでした。
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