誕生日

3/3
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
ハク「すごく申し上げにくいのですが…… わたしぃ…… 家……無いんですぅ…………。」 M「えっ!? も……申し訳ない…………」 さすがに驚くM そして嫌な沈黙。 えへへと辛さを滲ませながら笑うハクを見てMは言った。 M「うちに住みなよ」 ハク「え………… えぇぇ!?」 M「部屋なら空きがあるから。 ……ね?」 にこやかに笑うM。 ハク「ぃや…… でもそんな…… 悪いですぅ…………」 Mは一瞬目を輝かせたハクの表情を見逃さなかった。 M「良いんだ。僕は暇人だしね 遠慮なんかしなくて良いよ。」 ハク「あ…… ありがとうございますぅ……。」 ハクは声をあげて泣いた。 人の優しさに触れたのはいつ以来だろうか。 ハクはしばらく泣き止まなかった。 ハクの誕生日 ハク「(今年は一人じゃない。)」 M「ハクぅー。 ケーキ買ってきたよ!!」 ハク「ああああ…… ありがとうございますぅ!!」 M「さっ、食べようか」 ハク「ローソクに火を付けましょうよ!!消しましょうよ!!」 M「あ、それやるんだ。」 Mはローソクに火を付ける。 ハク「(いつもは、お誕生日おめでとう……私。 だったけど、今年は……)」 M「お誕生日おめでとう…… ……ハク」 ハクは満面の笑みを浮かべている M「誕生日プレゼントは…… 僕がマスターになること。でいいかな?」 ハク「えっ!!ホントにぃ!?」 M「ああ、DTMの勉強も沢山するよ。」 ハク「これからもよろしくお願いしますっ、マスター!!」 ハクは夢に一歩ではなく、百歩くらい近づいた気がした。 終わり
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!