ただの心優しき魔女っ子さ

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「あたしは望む! 目の前のものすべてを 塵も残さず 焼き尽くし 砕く鎚を!」 高らかに叫ぶ。 空間へ向けて命令を発するように。 すると、目の前に蛍火が現れた。 それが渦巻いて、徐々にその火の粉を肥大化させていく。 そこへ躊躇なくあたしは手を突っ込んだ。 「クレナイハンマー!!」 あ、紅はあたしの名前っす。 炎から手を引っこ抜くと、あたしの手には持ち主よりもデカイ鎚が出現した。 柄は黒く、鎚本体は地獄の業火の如く赤い。 これがあたしの魔法っす。 魔法って遠距離戦のイメージを抱いてるやつらが多いけど、そりゃ早とちりってやつだよ。 魔法使いによって魔法ってのは多種多様なわけ。 ある程度カテゴライズはできるけどさ。 所構わず武器を出すことができるのがセクト。 火、水、風などの自然の力を操るのがアレンシア。 肉体を強化したり、身体を異形のものへと変形させるのがグレイル。 大まかに分けるとこんなもの。 あと、特異型もいて、そいつらはアグリアーロって呼ばれてる。 ちなみに全部歴代魔法使いの名前が由来なんだってさ。 んなこたー、 今はどーでもいっか。
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