33人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだかワクワクするよなぁこういうの!?子供は雷やら台風が好きっていうし」
「探偵はどう頑張っても子供というよりおっさんですがね」
「でっ、何すんの?」
目を輝かせて助手を見る探偵。
「そして自分に丸投げと。そうですね……では」
人差し指を一本たてる助手。
「『スクエア』の進化系で…『トライアングルゲーム』はどうでしょうか」
「トライアングルゲームウ??」
壱花と探偵は教育テレビの台本のように声を揃えて復唱した。
「初めに説明しましょう。スクエアとは、有名な話だと雪山の小屋で遭難してしまった男女四人のグループが、睡魔から逃れるために考案したゲームです。まずそれぞれが部屋の四隅に立ちます。次に最初の一人が壁沿いに別の角へと移動し、その人の肩を叩きます。同じようにして肩を叩かれた二人めは別の角へ、そしてまた次の人が別の角……というふうに移動していき、互いに励まし合い気力を保とうと」
「ちょっと晴山君、それって」
「なんですか?」
「……その話って、確か、スクエアは5人いないとほんとは成立しないはずで、いないはずのもう1人は一体誰だったの!?……的な話じゃなかった??」
壱花は既に青い顔でたずねた。助手はうなずく。
「なんだ、知ってましたか。」
「いや、知ってましたかじゃないでしょ!そもそも、四隅の部屋で3人しかいなかったら既に不可能だし、もし成立しちゃったらこの部屋に2人も人ならざる何かがいることになるじゃない!!」
「いや、2人くらいはいるはずなんでそこは問題ないんですが」
「怖ぁっ!!」
「やめろよ!いないよバカ!」
壱花と探偵は再び声を揃えて身震いした。
最初のコメントを投稿しよう!