その探偵達、怪奇座談会

6/20
前へ
/123ページ
次へ
「なんだかワクワクするよなぁこういうの!?子供は雷やら台風が好きっていうし」 「探偵はどう頑張っても子供というよりおっさんですがね」 「でっ、何すんの?」 目を輝かせて助手を見る探偵。 「そして自分に丸投げと。そうですね……では」 人差し指を一本たてる助手。 「『スクエア』の進化系で…『トライアングルゲーム』はどうでしょうか」 「トライアングルゲームウ??」 壱花と探偵は教育テレビの台本のように声を揃えて復唱した。 「初めに説明しましょう。スクエアとは、有名な話だと雪山の小屋で遭難してしまった男女四人のグループが、睡魔から逃れるために考案したゲームです。まずそれぞれが部屋の四隅に立ちます。次に最初の一人が壁沿いに別の角へと移動し、その人の肩を叩きます。同じようにして肩を叩かれた二人めは別の角へ、そしてまた次の人が別の角……というふうに移動していき、互いに励まし合い気力を保とうと」 「ちょっと晴山君、それって」 「なんですか?」 「……その話って、確か、スクエアは5人いないとほんとは成立しないはずで、いないはずのもう1人は一体誰だったの!?……的な話じゃなかった??」 壱花は既に青い顔でたずねた。助手はうなずく。 「なんだ、知ってましたか。」 「いや、知ってましたかじゃないでしょ!そもそも、四隅の部屋で3人しかいなかったら既に不可能だし、もし成立しちゃったらこの部屋に2人も人ならざる何かがいることになるじゃない!!」 「いや、2人くらいはいるはずなんでそこは問題ないんですが」 「怖ぁっ!!」 「やめろよ!いないよバカ!」 壱花と探偵は再び声を揃えて身震いした。
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加