その男、適当探偵

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「適当探偵、事件が起きました」 何の前触れも無く入ってきた少年に、空き教室でエロ本を読んでいた適当探偵はビクッとなった。 「な、なんだい適当助手。来るときはノックをしろといつも言ってるじゃないか」 適当探偵は慌てて何故かエロ本で自分の顔を隠した。 「自分、適当なんで、すっかり忘れていました。というか、自分と適当探偵は初対面じゃないですか」 「なっ、何っ!!そういえば君の顔、見たことない気がしないでもないぞ。き、君が敬語なんか使ってすごく助手っぽい雰囲気醸し出してるから、勘違いしたんじゃないか……責任とってくれよ!」 「わかりました」 突然の適当探偵の無茶振りに、少年は冷静に肯くと姿勢良く探偵に近づいていった。 無言で少年の動作を眺める探偵の肩に、『責任』と書かれた紙を貼り付け、すぐにそれを取った。 「……?」 「わかりませんか。『責任』を取ったんですよ」 「はっはっは……こりゃ一本取られた!ってこんな責任の取り方があるかーい!!で、事件って何さ?」 間もツッコミも適当に終わらせた後、探偵は少年に聞いた。
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