その男、適当探偵

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廊下に出ると、まるでデモ行進のように派手な看板やら旗を掲げた集団が2人の目の前を遮った。 『大変だ!事件だ!適当探偵を呼べ!!』 そして大声で繰り返している。彼らが掲げている看板には、同じ内容の文字が書かれていた。 「うわっ……なんだよこれ!?既にお前ら自体が大変な事件だろ!」 「だから、事件なんですってば」 「わかってるよそんな事!……しかし、これを鎮めるには一体どうすれば……」 適当探偵が助手に視線を向けると、助手はジッと無表情に探偵を見つめていた。 「えっ……何?それ何のまなざし?」 「……」 助手は探偵を指差し、そのままその指を通り過ぎて行った集団の先へと向けて見せた。 「……そうか!なるへそ君は、連中がさっきから探しているぼく自身の姿を彼らの前に現せば事が解決する……と言いたい訳だな」 コクリと肯く適当助手。 「って口で言えよ!!」 適当探偵は助手の背中を思い切り叩いた。助手はやはり無言で背中をさするが、残念な事に体が硬く手が届いていない。 ……とまあそんな事は置いといて、探偵は早速集団の目を自分に向けさせようと試みた。
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