その男達、日曜日<PART2>

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一足早くダッシュした助手が、先に部屋のドアに辿り着く。 「丹豪!!」 そして思い切り扉を押し開けた。 「キャ~すっごーい!!夏弥君ってあのエガザイルの友達の親戚の友達の知り合いなんだぁ!!」 「うんまあ要するに限りなく他人なんだけどねぇ」 「あの私っ、ナオヤのファンなんだけど……サインとか頼めないかな!?」 「んー……頼めないこともないかな。今度知り合いに会ったら聞いといてやるよ」 「やーん嬉しい!ありがとう!!」 「……」 戸口で立ち尽くす助手を置いてきぼりにして、盛り上がっている夏弥と壱花。 しかし始めこそ必死な表情の助手だったが、さっきまでの顔が嘘のようにいつもの冷め切った感じに戻っていった。 「大丈夫か壱花く、あ、あれ!?」 「……随分と遅かったですね探偵」 「いや途中になぜかバナナの皮が落ちてい……じゃなくて何なんだその仲睦まじいさまは!?」 探偵は壱花達を指差して叫んだ。 「何って~、べつにたった今仲良くなったんですけど」 マイペースに返す壱花。 つまりこういうわけだった。 「俺の助手を断るっていうんなら――」 数分前、そう言って夏弥は自分の懐に手を入れた。 壱花はそれを鋭利な物を取り出そうとしているのかと勘違いし、焦った。 夏弥の手が突き出された時、思わず腕で顔を庇い目を閉じてしまった。 「――断るなら、俺の友達になってよ。はい、これ」 「えっ……?」 何かを手にのせられて、恐る恐る目を開ける壱花。 するとなんとまあ、可愛らしい星が埋め込まれたプレートのついた皮紐のペンダントが壱花の掌の上で光っていたのだった。 「ヤダ、可愛い!」 「そう言ってもらえると嬉しいよ。本当は助手になってくれたらあげるつもりだったんだけど、いいよ。友情の証ってことで」 「本当に可愛い!ありがとう、夏弥君!大事にするね!」 ……という事であった。 めでたしめでたし「じゃないわっ!!!」
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