その男、奈衣雅城高校調査探検部

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声の方に注目すると、2人がこのような雰囲気になった原因といえなくもない人物が戸口に立っていた。 (探偵曰わく)ダサくて(女子高生曰わく)イケてるバンダナ美少年、鵠沼夏弥である。 「あっ、ぐけぬま!?どうしてお前、ここに!!」 「バカじゃないの?ちょっと調べりゃわかるよ。お前の通ってる高校ぐらい」 夏弥は探偵を見もせず冷淡に告げると、今度はにこやかに壱花に笑いかけた。 「こんにちは、壱花ちゃん。俺の助手になる気ない?」 「こ、こんちはに夏弥君。えっと……なんの助手?」 「『こんちはに』になってますが」 「うるさい」 「ああそうだ、俺がどんな部活に入ってるか言ってなかったね」 壱花と助手のやり取りもさらりと無視しつつ、夏弥がポンと手を打った。
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