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「俺の部、調査探検部って言ってね。古……」
「ボロくてカビ臭くて虫だらけの廃れた建物の中を物色して美しいこれは世に評価されるべき文化遺産だとか言ってハァハァする物好きな集団といった所だろう」
夏弥の言葉を探偵が遮った。
「昔っから廃墟マニアだったもんなぁお前。だから友達いないんだろ?」
「お前こそいないだろうが。日間野」
夏弥は冷たく探偵を睨みつける。探偵は墓穴を掘ったことに今更気付いたらしく、逆に激しく動揺して目が泳ぎだしてしまった。
「つまり夏弥君は、廃墟マニアってこと?」
「うん、まあ……マニアって言い方は正直頂けないんだけどね。壱花ちゃんは、興味ある?」
あるわけないだろ今を生きる花の女子高生が、と毒づく探偵。
「うん。結構雑誌とかで見て、興味はあるよ。行ったことはないけど」
絶対否定するに違いないという余裕の自信顔で構えていた探偵の顔が、一気に驚愕の色に変わった。まるで百面相だ。
「ううう、嘘だろう丹豪君!?だって廃墟だぞ廃墟!?腐っててマリモが転がってて幽霊がフサフサいるんだぞ!?」
「探偵、マリモはそんなに転がっていないと思います」
助手が微妙なツッコミを入れた。
フサフサに関しては問題ないようだ。
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