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「鵠沼、丹豪君に妙なことを聞くのはやめたまえ!セクハラで訴えるぞ」
「女子部員の目の前でエロ本見るのもどうかと思うけど」
「そそそそんなもの見てないモーン!おおまおまバッカじゃねぇ!!?」
といいつつ探偵は素早く本を入れ替えた。かわりの本は、主人公がある朝起きたら虫になっていたというカフカの『変身』だった。ジャンルが変わりすぎだ。
「ところで、本当は何しに来たんだよお前。迷惑だから帰れよ」
探偵は夏弥に対してはいつになく辛辣でストレートだ。
「俺だってお前なんかに用事は無いさ。用があるのは壱花ちゃん。――と、晴山君だっけ?君にも来てもらおうかな」
手招きする夏弥に、助手は少し意外そうな顔をしたがすぐに立ち上がった。
一方自分だけ置いてけぼりを食らった探偵は一人、何か言いたそうな顔をしたが夏弥は無視した。
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