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部屋の隅にかたまった夏弥達3人は、輪をつくって話し始めた。
いよいよ探偵は本格的無視の体制だ。
「じゃあ、早速2人に聞きます」
夏弥が探偵に聞こえないようトーンを下げて言った。
「君達は日間野のこと、どう思ってる?」
「憧れの対象かなぁ」
「おそらく人間だと思います」
前者は壱花、後者が助手である。
「晴山君、それは……日間野に関してはどうでもいいってこと?」
「どうでもいい、とは言ってません」
「マジメに答えると?」
「とりあえず、探偵が火星人やビッグフットの亜種でないのは確かだと思います」
「……あのさぁ」
夏弥は半分呆れたような、苛ついたような声を出した。
「助手くん、ひょっとして俺のこと嫌いなの?この前壱花ちゃんと仲良くしたから」
「自分はそんなどうでもいい出来事を、引きずるタイプではありません」
「じゃなんでふざけるのさ」
「ふざけてなんかいません。ただ」
助手はオロオロする壱花を一瞥し、続けた。
「遠まわしに探偵を陥れるような君のそのやり方が、気に入らないだけです」
それでは、と言って助手はシガレットをキザにくわえると去っていった。とはいえ席に戻っただけだが。
夏弥は無表情だが、どこか悔しそうな顔で助手を睨み、次に壱花に視線をやると壱花はビクッとなった。
「あ……あのわたし、夏弥く、陥れるとか……気づかな、いや思ってなくって、晴山君も悪気があるわけじゃなくて、かっか勘違いを」
「壱花ちゃんは!」
突然夏弥に肩を掴まれ、壱花は目を見開く。
「壱花ちゃんは」
「?」
「いや、そうだよな……。やっぱなんでもない。俺、今日は帰るよ。じゃあまた」
「えっちょっと!夏弥君!?」
夏弥は作者も予想だにしなかった妙なシリアス感を残し部室を去っていった。
静まり返った教室。
最初に口を開いたのは探偵だった。
「……一昔前の話になるんだが」
探偵の方を見る助手と壱花。
「井上和香とMEGUMIのおっぱいってどっちが大きいんだっけ?」
再び静まり返った。
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