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パタンと本を閉じ最初に口を開いたのは適当助手晴山だった。
「……ふう。探偵のおっぱい話はどうでもいいとして」
「いや僕のおっぱいの話はしてないけど」
「いやそんな話聞きたくもありませんけど」
「ちょっといい歳しておっぱいおっぱい言うの止めてよ2人とも!そんなに母乳が恋しい!?」
「今おっぱいの話をしなくていつするんだい丹豪君!!四十とか五十にもなってからおっぱい連呼するよりマシだろ!!その頃には大人の階段上って過去見てきたおっぱいならぬ乳輪の話にグレードアップしてなきゃならんのだから!」
「……あ。探偵やっぱり階段上ってなかったんですね」
「…………あっ」
「………………っ!!」
ショッキングな顔で口を塞ぐ壱花。
さっきとは別の気まずい沈黙が流れる。
「……わ、わたし何も聞いてませんから。何も……」
壱花の頭の中は混乱していた。
早急にこの小説のタイトルを改名すべきだと……お洒落にチェリー探偵でいくか、さくらんボーイ探偵にすべきかを。
「な……なんだよっ!そんなにチェリーが悪いかよおおお!!!」
涙と鼻水と青春の汗を撒き散らしながら教室を飛び出す探偵。待ってくださいと叫びながらそのあとを追う壱花。
2人が去った後の教室で、やっぱり助手は1人シガレットである。
「……というか別に、特別意外な事実でもないよな」
彼の呟きを聞くものはいない。
……伊井華幻高校は今日も平和である。
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