その生徒達、体育日和

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火曜日の午後2時を過ぎた時間…… 暖かな日差し、穏やかに雲が流れる青空の下。 伊井華幻高校のグラウンドでは、6限目の授業である体育を2クラス合同で行っていた。 女子は高跳び、男子はランニングか鉄棒である。 黙々と走る生徒、友達と喋りながらほとんど歩いている生徒、輪を作って恋愛話に夢中になり最早体育の授業中ということすら忘れているような生徒など、思い思いの過ごし方をしていた。 そんな中、高跳びの順番を気にしつつも、男子の方をそわそわと心配げに見つめるひとりの少女がいた。 「だ、大丈夫かなあ……。あの噂、本当だとしたら……やばいかもしれない」 うろうろと歩き回っているのは、放課後は適当助手2号となり大活躍する16歳、二豪壱花である。 壱花の視線の先には、体育担当の教師、小沢本太郎がいた。 腕を組み厳つく生徒達を見回すその眼は、チンピラも裸足で逃げ出すであろうほどの凄まじい迫力を放っている。
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