その生徒達、体育日和

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そんな彼が見守っているのは、壱花と犬猿の仲である適当助手1号・晴山翔だ。 なぜか晴山が今挑戦しているのは、鉄棒でもランニングでもなくストレッチ体操だ。 体の硬い晴山は長座をして前屈をしても恐ろしいまでに手が足先に届かない。しかしそれでもどうにか手を足先に近づけようと必死になっているという、地味な上に無意味とも思える行動を彼はやっているのだ。 常に被っている帽子はやはりそのままで、壱花は普段から実は禿げているのではないかと心配していたが、それは今問題ではない。 頑なにストレッチ体操を続ける晴山と、叱るでもなくそれをただ見守る小沢。 壱花がこの奇妙な絵面が気になってしまうのには訳があったのだ。
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