その生徒達、体育日和

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「あの時は思わず笑っちゃったけど……いざ思い返してみると不安すぎる」 いつ小沢が行動に出るのかと、壱花は気が気でない。 「晴山君も晴山君よ、なにしてんのあいつ。せめてランニングしなさいよ」 言いながらグラウンドを見ると、探偵・日間野と思しき図体のでかい人物がフラフラ走っていた。なぜか体育着の襟にも蝶ネクタイをし、助手といい似た者同士だと壱花は思った。 「運動の苦手な日間野さんですらあんなに頑張ってるっていうのに……うう、ナスの煮付け差し入れしてあげたい」 「ナスじゃなくてレモンの蜂蜜漬けでしょ壱花、普通は。ほら、出番よ」 友人の一恵に言われ、慌てて高跳びに集中する。 まずは楽勝だ。 軽々とクリアした後、Uターンして列に戻ろうとした壱花は晴山の方に視線をやり、ぎょっとした。
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