その生徒達、体育日和

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長座をしている晴山の背中を、小沢がささえているのだ。 体格を考慮してなのか、力を弱めているのだろう、優しげなのが不気味だ。 「は、はれ、晴山君……!逃げて……!」 壱花はそう呟くのが精一杯だった。 「――どうだ、晴山。いけそうか?」 「ま、まだ届きません、ちょっと痛、痛いです先生」 「あっそうか、スマンスマン、これでも加減してるんだがな……そうだ。先生、良いもの持ってるぞ」 「はい……?」 背中から手が離れ、晴山は突っ張ってしまった腿の裏をさすった。 小沢はスポーツバッグを持ってきたかと思うと、中から何か小さい透明な容器を取り出した。 「ほら、レモンの酢漬けだ。酢を飲むと体が柔らかくなるんだぞ」 「先生!自分のために……ありがとうございます」 晴山は感激しつつ可愛らしいリボンのついた串でレモンをひとつ取った。 半端なく酸っぱかった。
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