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「なんでレモンの酢漬けなのよ!酸っぱいモノと酸っぱいモノは足すなよ!そこは普通ナスの煮付けでしょうが!」
「だからレモンの蜂蜜付けって言ってんでしょ壱花」
「そうよサバの味噌煮よ!」
「耳突き刺すわよ」
壱花は苛々しながら呟いた。なぜ酢漬けとわかるのかは謎だが。
逆に友人の一恵は冷静だ。
「だって一恵!あんたが言ったんじゃない、晴山君が狙われてるかもしれないって。危険すぎるわよ」
「まあ、そうだけど。でもいいんじゃないの?あんた晴山君のこと嫌いなんでしょ」
「うっ、いや、でもそれとこれとは」
「大丈夫よ。単なる噂に過ぎないんだし」
以前は真剣に話していた割にさらりと言ってのける一恵。
そこまで平然と言われると壱花も黙らざるをえなかった。
「二豪さん野村さん!順番来てるよ」
「あっ、ごめん今行く!」
壱花は再び走り出した。
今度のも楽にとべた。
列に戻ろうとした壱花はまたも晴山の方を見やり、思わず目を剥いた。
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