その男、適当助手

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「じゃあまずは、ぼくからだな。見ての通り、このぼくが適当探偵だ。甘いマスク、長身、細身、と見せかけて実はモムチャンも裸足で逃げ出すほどの美しくしなやかな筋肉……実はエロ本には一切興味が無くストイックな一匹狼だが、本気になればその聡明な語り口と明快な推理とテノールの美声で八百万の女性を虜にするまさに目の覚めるような」 ――その時だった。 不意に助手の顔色が一変したのである。 「……ペルセナ……クリアしてしもた」 「チミチミ、思わせぶりな文章で人の自己紹介を遮るんじゃないよ!!」 「遮ったのは自分じゃないです。それにどこまでが理想でどこまでが本当かわからないような自己紹介聞いてたって意味ないですよ」 「何おう~!じゃあ次は君に自己紹介のお手本を見せてもらおうじゃないか!」 「いいですよ」
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