33人が本棚に入れています
本棚に追加
晴山は彼なりに頑張っていた。努力していたのだ。皆に追いつこうと……。
ドッと手をついてグラウンドにくずおれる壱花。
「そうだよね……。晴山君が頑張ってるなんて私、気づかなかった。それどころか晴山君が人類で、努力などという行為をするなんてはじめから頭にもなかった。恥ずかしいよ、日間野さん……。それに小沢先生だって、ゲイである前に教師なんだよね……私、噂を鵜呑みにして先生まで疑ってました。最低です……。ありがとう、日間野さん!こんな私を止めてくれて!私、今回は晴山君を応援します!!」
顔を上げた壱花は、日間野が物凄く困惑してほとんど変顔になっているのを見、面食らった。
「……え、日間野さん……?どうしたんですか?」
「いや、その……何?小沢先生がゲイって。初耳なんだけど……ちょ、前言撤回するわ。適当助手、やばくね?」
「え?え?ええぇえっ!!!」
慌てて探偵の背後に目をやる壱花。
なんといつの間にやら晴山と小沢の姿は忽然と消えていた。
「嘘!!ちょ、一恵!晴山君とホモは!?ホモはどこ行ったの!?」
「え、2人ならあんたらがアホみたいな芝居やってる間にどっか行ったけど」
壱花と探偵の顔がさぁっと青ざめた。
最初のコメントを投稿しよう!